倫理法人会は宗教だ!おかしい!怪しいという悪評に反論してみた

経営者セミナー

Googleで「倫理法人会」と検索すると、関連キーワードに「宗教」という言葉が出て来ます。

「宗教」のほかに、「おかしい」「怪しい」「やばい」「ノルマ」「気持ち悪い」「カルト」「詐欺」「ブラック」「右翼」などの言葉が「倫理法人会」と一緒に検索されています。

何も知らない人が見ると、「倫理法人会ってどんな団体だよ・・・」って不安になると思います。

この記事では、「倫理法人会は宗教なのか?」について、私見をまとめました。あくまで個人的な見解です。

結論から言うと、「倫理法人会は、本質的な部分で宗教に通じるが、宗教ではない」というのが私の考えです。

「なんのこっちゃ?」と思われるでしょうが、この記事では次の順番で私の個人的見解をお伝えします。

この記事のテーマ

①倫理法人会が宗教でない4つの理由
②倫理法人会はなぜ宗教と勘違いされるのか?
③日本人はなぜ宗教に対して無知なのか?

では、ひとつずつ見ていきましょう。

①倫理法人会が宗教でない4つの理由

倫理法人会が宗教ではないと思う理由は4つあります。

倫理法人会が宗教ではない理由

1.形式的に宗教団体ではない
2.カルトの要件に当てはまらない
3.根本の考え方が異なる
4.倫理法人会は宗教ではなく哲学である

それぞれ説明します。

1.形式的に宗教団体ではない

倫理法人会は一般社団法人です。宗教法人ではありません。だから明確に宗教団体ではありません。

でも世の中には、倫理法人会は一般社団法人であっても、宗教法人と同じような税制上の優遇を受けている可能性があって、上層部が丸儲けするシステムが宗教団体と同じだと主張する人がいます。

これに反論します。

反論1 論理がおかしい

税制上の優遇を受けている可能性があるから、倫理法人会は宗教団体だ!」というのが、どうしても私には論理的につながらないのですが、これを読まれている方はいかがでしょう?

宗教団体は税制上の優遇を受けている → これは正しいです。

でもこの命題の逆は正しいのでしょうか?

つまり、「税制上の優遇を受けているから宗教団体だ」という命題です。

逆は必ずしも真ではありません。

例えば、「金は光る」の命題の逆、「光るものは金」は正しいでしょうか?

ガラスだって、銀だって光ります。水だって光ります。「金は光る」という命題の逆は正しくありません。

税制上の優遇を受けているのは宗教団体だけではありません。ある命題の逆が真であることももちろんありますが、上の主張は論理的に正しいとは言えません。

反論2 組織の価値は市場が判断する

上層部が搾取するシステムが宗教団体に似ているという点についても反論しておきましょう。

上層部が儲かる仕組みが宗教団体に似ているというなら、アメリカの大企業なんて典型的に上が儲かる仕組みです。アメリカの大企業ほどトップが搾取する組織はなかなかないですよね。

でも、アメリカ大企業のCEOを詐欺師だという人は、まともな人にはいないはずです。業績が上がらなければ非難はされても、詐欺ではないでしょう。

これは強弁です。わかって書いています。

何が言いたいかというと、組織およびその代表者の価値は市場が判断するということです。

どんなに高給を取っていても、ステークホルダー(特に株主)を満足させられればCEOは評価されます。そしてその会社には社員もお客も集まります。

逆に、価値を提供できなければ、人は離れていきます。

倫理法人会は会員が増え続けている

ところで、倫理法人会は昭和55年、千葉県に280社で設立されてから、現在では7万社近くまで増えています。

(この数字を水増し可能と言われるとどうしようもないですが)

倫理法人会が会員に、ブラック企業並みのノルマを課して、詐欺的な手口で強引に会員を勧誘させるような団体だったとしたら、40年も続くものなのでしょうか?

詐欺的手法で一時的に繁栄できたとしても、それが40年も続くほど、日本の社会ってアホなのでしょうか?

特にここ20年で情報取得コストは劇的に下がっています。倫理法人会に関するさまざまな情報(悪評含む)を簡単に取得できるにも関わらず、なぜ会員が増え続けているのでしょう?

情報取得コストが低下した結果、悪評が広がり信者を激減させた新興宗教団体はあるようですが(真実はわかりませんけど)、倫理法人会の会員は増えています。

新たに倫理法人会に入会する人はみんな、騙されているのでしょうか?

「そうだ!」と言われれば反論のしようはありませんが、常識的に考えてそうではないでしょう。

倫理法人会がコスト(月1万円の会費)に見合った(もしくはそれ以上の)価値を提供しているから会員が増えているのです。

話がずれ始めたので、ここまでにして、次にいきます。

2.カルトの要件に当てはまらない

「倫理法人会は宗教だ!」と言う人が考える宗教の意味は、「怪しい」「やばい」「気持ち悪い」「詐欺」的なものだということだと思われます。

世界共通の認識として宗教はそのようなものではないのですが、日本人だけが宗教に対してこのようなイメージを持っています。

その理由は後で説明するとして、「倫理法人会は宗教だ!」と言う人がイメージする宗教は「カルト宗教」「新興宗教」なのだと思います。

日本だけでなく、世界中にカルト宗教は存在しますが、日本人以外は宗教とカルトを明確に区別しています。

カルトとは何か?カルトの特徴を挙げると次のようになります。

・指導者による聖典解釈への絶対的なコミットメント
・指導者はけっして間違ったことをしないという信仰
・先行する啓示と矛盾する啓示への信仰
・私たちは終わりの時を生きているのだという強い信仰
・「私たち/彼ら」という心性
・集団の命令に従わせる圧力

引用:米国キリスト教調査研究所による「カルト的かどうかを判断する特徴」(木村・渡邉, 2001)

また、日本脱カルト協会の定義によると

カルトとはどういう団体なのですか?

カルトは人権侵害の組織です。組織に依存させて活動させるために、個人の自由を極端に制限します。

つまり、全体主義的集団です。そして、①各メンバーの私生活を剥奪して、②集団活動に埋没させる。そして、③メンバーからの批判はもちろんのこと外部からの批判も封鎖し、④組織やリーダへの絶対服従を強いるといった特徴がみられますが、これらの特徴は表面的には隠されていますので、集団の外部から見ても区別がつかないことがふつうです。

カルトは、こうした人権侵害の正体を隠すためにマインド・コントロールを用いることが多いです。

(引用:カルトとはどういう団体なのですか?

日本脱カルト協会の定義のほうがわかりやすいと思うので、これに即して考えると、倫理法人会は私生活をはく奪されることもなければ、集団活動に埋没させられることもないし、批判も自由(会社員が会社のグチを言うのと同じ)、参加も自由で組織への服従などあり得ません。

つまり「倫理法人会は宗教だ」という人がイメージするカルトの要件を何一つ満たしていません

ちなみに倫理法人会の現指導者というと、理事長の丸山敏秋氏ということになるでしょうが、私は丸山敏秋氏の話を聞いたこともなければ、本を読んだこともないし、丸山敏秋氏にコミットしているわけではありません。でも倫理法人会の会員です。
(参考:丸山敏秋とは

ま、こんなことを書いても、「詭弁だ!」と言う人がいるでしょう。

それはひとまず置いておいて、次にいきます。

3.根本の考え方が全く異なる

最初に、形式的に倫理法人会は宗教ではないことの説明をしましたが、内容的にも宗教とは根本的に違います。それを説明します。

宗教の本質とは何でしょうか?

宗教の定義はさまざまですが、多くの人に納得していただけるのは「自分の力を超えたものに頼る」ということではないでしょうか。

祈る、お願いする、懺悔して許しを乞う、などいずれも”他力”です。

マルクスが『ヘーゲル法哲学批判序説』の中で、「宗教は民衆のアヘンである」と言ったのは、その通りだよねと思います。(参考:ヘーゲル法哲学批判序説

宗教は一時的に心の平穏をもたらすけれど、現実は何も変わらないということです。

補足

厳密にいうと、世界三大宗教の中で、本来の仏教は自力本願ですが、日本に入ってきた仏教は禅宗以外、他力本願です。ただし、ここでいう「他力」は他人のことではなく如来の力のことですが、どちらにしても「信じるものは救われる」系の宗教です。

なぜ日本で仏教が「信じるものは救われる」系に変わったかというと、そのほうが信者を集めやすいからです。厳しい修行をしないと救われないと説くより、拝むだけでOKと説いたほうが簡単に信者を集められそうですよね。

難しいのはプロテスタントのカルバン派です。予定説を信じる人は、自分は救われる人間だと信じたいがために現世で富を蓄えようとするわけですが、カルヴィニストを他力本願と考えるのか、自力本願と考えるのかは解釈が分かれるところでしょう。同じプロテスタントでもルター派は完全に「信じるものは救われる」系ですけどね。

しかし倫理法人会は違います。

倫理法人会は宗教と違い”他力”ではありません。

倫理法人会の価値観を私なりにまとめると次のようになります。

実践を通して心を整えることを重視せよ

つまり、「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」ということ。

これが倫理法人会の本質であると私は考えています。

経営をしていれば、心が乱れることは多々あります。

社員が言うことを聞かずに腹が立つ、取引先の担当が偉そうでムカつく、お客に文句ばかり言われる、いい商品なのに売れずに悩む、人手不足でボロボロ、お客さんが来ない、など経営をしていれば、不安になること、腹が立つことは日常茶飯事です。

しかし、このような心が乱れた状態で仕事をして成果を上げられると考える人は、よほど能天気な人だけでしょう。

仕事で成果を上げるために心を整える。心を整えるために行動を変える。

他力本願ではなく、自分で行動を変えて現実を変えるのが倫理法人会の考え方です。

倫理法人会に参加している経営者に成功している人が多いのは「心を整えるために行動を変える」からです。その環境を提供するのが毎週行われる経営者モーニングセミナーです。

先祖を大切にする、人に感謝する、という”行動”を倫理法人会では推奨されますが、すべては自分の心を整えるためです。

お祈りをして売上を上げようとする倫理法人会の会員は、少なくとも私は知りません。

4.倫理法人会は宗教ではなく哲学である

ここまで読んでいただいた上で、倫理法人会は宗教だというなら、それはその人の価値観ということでOKです。

価値観は人それぞれ。正しい・間違っているという問題ではないですからね。「みんな違って、みんないい」というのが多様性を受け入れるということでしょう。

しかし、最後に倫理法人会と宗教との違いを学問的アプローチから見ておきましょう。

私は倫理法人会は宗教ではなく、哲学だと思っています。

哲学の一般的な定義は次のようなものです。

世界・人生などの根本原理を追求する学問

(引用:goo国語辞書

宗教も哲学も、根本原理(真理)を追究する点では同じですが、真理に至るプロセスが全く異なります

この根本原理(真理)を追究する点では同じというのが、最初に書いた「本質的な部分で宗教に通じる」という意味です。

ちなみに、倫理法人会が追究する根本原理のことを「純粋倫理」と言います。

純粋倫理とは守れば幸福になる厳然とした日常の法則、生活の法則(くらしみち)。

(引用:倫理研究所

宗教は神から啓示を受けた人が、その瞬間に真理を悟って、それを人々に伝えます(新興宗教なら教祖様が神からの啓示を受けた人)。真理に至るまでのプロセスがすっ飛ばされるのが宗教です。

一方、哲学は様々な事象をもとに、自分の頭で試行錯誤しながら考える事によって真理に近づこうとするプロセスを大切にします

倫理法人会が所属する倫理研究所の創設者である丸山敏雄氏が提唱する「純粋倫理」がどのように確立されたかを確認すると、経験論的に確立されているんですね。

つまり帰納法的なアプローチで確立されているのです。

帰納法的アプローチとは、さまざまな事象から共通項を抜き出して結論につなげる論理的推論方法です。

さて、倫理研究所のこちらのテキストの12ページに次のような記述があります。

人の心のありように基づく行為がどのような結果を招くかを、無数の実例や実践体験を通して検討していく時、純粋倫理という生活法則が見出され、・・・

倫理経営基礎講座テキスト

まさに帰納法のアプローチです。これを読んだときに、倫理法人会は哲学だと思いました。

以上、倫理法人会は宗教ではないと考える理由でした。

補足:倫理法人会はノルマがあるブラックな団体?

補足として、「倫理法人会 ノルマ」「倫理法人会 ブラック」と検索する人がいらっしゃるようなので、これについても触れておきたいと思います。

先ほど少し書いた、「倫理法人会は強引に会員を勧誘しているのではないか」という点について、別の視点から説明します。

倫理法人会では会員を獲得することを「普及」と言います。この言葉遣いも宗教と勘違いされる要因ではあると思うのですが・・・

倫理法人会の各支部(単会という)では年間の会員獲得目標を定めます。それに向けて会員獲得活動をするのですが、これをノルマと感じている方がいらっしゃるのかもしれません。

全国に700以上の支部があるので、中にはブラック企業的なノルマを会員に課している支部があるのかもしれません。

すべての支部を見たわけではないので、そこは何とも言えません。

ただ、年間目標を定めるのは、会社と同じ。倫理法人会は縦の組織というわけではありませんが、各支部には会長、副会長など役割があります。

その役割を演じながら、組織目標を達成するというのは、会社と同じではないでしょうか。

視座を変えると、倫理法人会は会社組織運営のシミュレーションの場でもあるわけです。

しかし、会社を運営するよりはるかに難しいと思います。

だって、会社の社員には給料払ってますけど、倫理法人会はほとんどが経営者で、倫理法人会から報酬が出るわけではないので、その環境で組織目標に挑むというのは難しい。

話がそれてきたので戻します。

倫理法人会に参加して、本当に良かったと思う人は、他の人に勧めるし、良かったと思わないなら、勧めなくていいんじゃないでしょうか。

ノルマと感じて苦しいなら退会すればいいと思います。

もちろん私自身はノルマと感じたことはないし、ブラックだと思ったこともありません。

人間関係の悩みなんて倫理法人会に限らず、どこでもあるわけで、実際に参加してみないとわかりません。

参加してみて、自分に合うと思えば、続ければいいし、合わないと思ったら即やめる。

それでいいんじゃないかと思います。

しかし、自分で試すことなく、風評に踊らされて避けるというのは賢明な選択ではないというのが私の本音です。

②倫理法人会はなぜ宗教と勘違いされるのか?

色々書いてきましたが、倫理法人会が新興宗教と勘違いされる理由は実はよくわかります。

・会員獲得を「普及」というような言葉遣い
体育会系の役員朝礼
・セミナー開始時に倫理法人会の歌を合唱
・万人幸福の栞という本を声を出して輪読

なんか”修行”のような雰囲気があることは否めません。

こういうところが宗教をイメージさせるのでしょう。倫理法人会の雰囲気に拒絶反応を示す人がいるだろうこともよくわかります。私も昔はそうだったので。

そして万人幸福の栞の内容が引き寄せの法則(宗教)っぽいと感じる人もいるでしょう。

100%唯物論者の方は倫理法人会は向かないと思うので、倫理法人会には近づかないほうがいいと思います。アレルギー反応が起こるかもしれません(笑)

でも日本人で100%唯物論者っているんですかね?

●神社・仏閣・教会では結婚式をしない
●墓参りは絶対にしない
●お宮参り・七五三にも行かない
●法事もしない
●自分が死んでも葬式はするな

これくらい徹底した唯物論者なら倫理法人会を宗教と感じても仕方ないかもしれませんが、多くの日本人はそうではないと思います。

「やっぱり目に見えない力ってあるよね」と感じたことがあるなら、倫理法人会で心を整える勉強をしてみる価値はあると思いますよ。

③日本人はなぜ宗教に対して無知なのか?

最後に、日本人はなぜ宗教に対して無知なのかについて簡単にまとめておきます。

「倫理法人会は宗教だ」という人は宗教をバカにしているのでしょうが、宗教をバカにする民族は世界中で日本人くらいではないかと思います。

宗教(特に世界三大宗教のキリスト教・イスラム教・ヒンドゥー教)は世界を動かす価値観なのに。

イスラム過激派はなぜ世界中でテロを起こすのか、トランプはなぜあんな言動をするのか、トルコはなぜEUに加盟できないのか、混乱する現代の情勢を読み解くカギは宗教です。

世界の人々にとっては生活の一部である宗教が、なぜ日本ではそうでないのか?なぜ日本では宗教が馬鹿にされるのか?

それはこちらの記事を読むとよくわかります。

日本人の「宗教偏差値」が世界最低レベルになった3つの理由

この記事では、日本人の宗教偏差値が低い理由を3つ挙げています。

1.地理的な理由
2.神道がもともとあり、その上に仏教を受け入れた
3.江戸時代の檀家制度と明治以降の国家神道

(引用:日本人の「宗教偏差値」が世界最低レベルになった3つの理由

しかし私はもっと大きな原因があると思います。

それはマスコミの責任です。

新興宗教への不信を決定的にしたのはオウム真理教事件です。

オウム事件が起こったとき、日本のマスコミはカルトやマインドコントロールについての報道をセンセーショナルに行うだけで、アカデミックな裏付けはほぼ報道されていないはずです。学術的な報道をしても数字(視聴率)は取れませんから。

「宗教」と「新興宗教」を一緒くたにして、宗教●●の危険性を大々的に煽っただけです。

これは今も変わっていません。コロナで数字が取れるとなると、連日コロナで不安を煽る報道しかしないのが日本のマスコミです。

これに関して、日本のマスコミ(ジャーナリズム)の質の低さを指摘する人は多いですが、こちらの本ではそうではないと述べられています。

「当事者」の時代

日本のマスコミの現場は、記者が「(事件を深く分析する上での勉強の為に)デスクで本を読んでいると上司に怒られる」「本なんか読まずに外回りをしてこい」多くの顧客は「学術的な議論」には興味が無く、多くの記者は「面白いネタを沢山集める方が合理的」と判断しているので、知識が無くても取材をどんどん行う記者の方が評価される。

(引用:「当事者」の時代

日本のマスコミがダメなのは、”人”の問題ではなく構造的な問題というわけです。

これ見て、どう思います?マスコミってとことん視聴者をバカにしているということではないですか?

「お前らに難しいこと言っても、どうせわかんねぇだろ?」と思っているということですよ。

こういうタチの悪いマスコミが日本人の宗教偏差値を低下させた最大の原因だと思います。

最後はグチになりましたが、宗教については正しい理解をしておきたいところです。

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