「人生二度への挑戦」あしだ泰宏氏|岡山市南倫理法人会・経営者モーニングセミナー

経営者セミナー

そのまま定年まで勤めていれば安定した生活が送れていた可能性が高いのに、4年前、故郷の児島に家族とともにUターンされ、倉敷市議会議員へのチャレンジを続けられています。

これまで2回の選挙で惜しくも次点。来年1月の選挙に背水の陣で臨まれるということでした。

そのままの人生を歩んでいれば安泰だったにも関わらず、エリート街道から外れてもやりたかったこと、そしてその理由についてお話いただきました。

今日のお話も深く考えさせられることがありました。

芦田さんのお話を伺いながら、偉そうに「日本の暗い未来を変えることはできるのだろうか?」などと考えてしまいました。

まずは芦田さんの講演についてまとめます。

なぜ安定した生活を捨てて地元に戻ったのか?

芦田さんは生後間もなく事故で父親を亡くされていて、母子家庭で育ちました。

当時は共同体がまだきちんと機能していた時代で、しかも倉敷という地方都市ですから、近隣の人たちは温かく、困った人がいたら他人でも助けるという相互扶助の精神がありました。

芦田さんもお母さんが病気になったときなどは、近所の人がご飯を作ってくれたようです。

共同体が崩壊している現在において、そんな濃密な近所づきあいなんて考えられません。

芦田さんはそんな「人の善意」に触れて育ったこと、そしてあしなが育英会の奨学金で大学に進めたということもあり、若い頃から「社会に積極的に関わり、世の中の役に立つことがしたい」と思っていたそうです。

そして大学を卒業するころに公務員試験を受けるも不合格。結局は民間企業である三井物産に入社します。

忙しい毎日を送るうちに、公共のために働きたいということを考える余裕もなくなります。

しかし目の前の仕事に懸命に取り組まれたのでしょう。三井物産のロサンゼルス支店長を務めるまでになります。

このまま残りの人生も安泰で過ごせるということが見えています。

しかし、ロサンゼルス支店長時代に芦田さんは日本についてある懸念を抱きます。

それは現地で商談をしているときのこと。外国人との商談で日本をマーケットにする商談が減ってきていたそうです。

つまり、外国人にとって、日本はこれから人口減少で衰退する国であり、マーケットとしての魅力がないということです。

外国人から日本をこのように見られていることを知った芦田さんは悔しい思いをしたそうです。

2つの事件が人生を変えた

その後、大きな2つの事件が起こります。

2つの事件とは、ご自身が交通事故に遭われたこと、実家が台風の被害で流されたこと、です。

奥様が運転する自動車で3人のお子様とともに激しい交通事故に遭われます。

車は大破し、助手席に乗っていた芦田さんは死んでもおかしくない事故でした。

しかし骨盤骨折をして全治4か月という大怪我を負うも、後遺症もなく回復されました。

後部座席に乗っていたお子様たちも大怪我をされたようですが、皆さん命に別状はありませんでした。

この事故で押しつぶされていてもおかしくなかったわけですが、腹部の数センチ手前で、へこんだ車体は止まっていました。

このとき、芦田さんは「何か目に見えない力によって生かされているのかもしれない」と思われたそうです。

そして2つ目の事件が実家が台風によって土砂に流されたこと。

台風当時、その地域は住民の流出が続いていて、人が住んでいなかったため、人的な被害はなかったそうです。

しかし、自分が生まれ育った思い入れのある家がなくなったことに衝撃を受けるとともに、自分が生まれ育った地域が過疎になっていることに衝撃を受けます。

ロサンゼルス時代に、外国人が日本をどう見ているのかを知り、その後に上記の2つの事件を経験されたことで、日本の将来を意識するようになります。

やはり世の中に積極的に関わりたい

日本のことを意識するようになった芦田さんは次のように考えます。

なぜ日本は人口減少が進んでいるのか?

それは、出生率が低い(生活がしにくい)東京に人が集まるからだ。

なぜ東京に人が集まるのか?

地方に魅力・仕事がないからだ。

では、地方で人が暮らしたいと思うような魅力的な街を作ればいい!

こういう思考プロセスで、地元である倉敷市児島を魅力的な街にしようということで、安定した収入・生活を捨て、地元に戻ってきたのです。

普通はここまで考えたとしても、「自分には関係ない」「自分が何かしたって何も変わらない」という気持ちになる人がほとんどだと思いますが、ここから実際に行動を起こすというのが凄い。

周りからは反対されたでしょうし、バカ呼ばわりされたかもしれません。

50歳を過ぎても新たな志を立てて行動する姿に感銘を受けました。

何歳になろうが、自分にとっては「今が一番若い」わけで、芦田さんを見ていると、「今更遅い」と考えるのは恥ずかしいことだなと思わされました。

日本の暗い将来は変えることができるのか?

今、日本の将来が明るいと思っている人はいるのでしょうか?

2030年における日本の総人口予測は約1億1,912万人。

2008年の1億2,808万人のピークから912万人(約7%)も減少し、その内の31.1%にあたる約3,715万人が65歳以上の高齢者となります。つまり、3人に一人が65歳以上の高齢者となります。

WHO(世界保健機構)は高齢化率21%以上で【超高齢化社会】と規定していますが、21%なんてものじゃありません。31%です。

日本は世界の先進国のどこも経験したことのない超高齢化社会に突入します。

経済面では20年以上デフレが続くという、先進国では考えられない状況に陥り、デフレから回復する兆しすら見えません。

さらに、1人当たりGDPでは韓国、イタリアにも抜かれる惨状です。

ジャパン・アズ・ナンバー1などと言われた時代の見る影もない状況です。

日本が衰退していくのは確実な未来のように思えます。

外国人から見てますます魅力のないマーケットになっていくのでしょう。

社会的に見ても格差はますます拡大し、共同体の崩壊は進み、社会は分断される方向に進んでいます。AIの進化によって格差はもっと拡大するはずです。

こんな社会になってしまったのは、複雑な原因が絡み合っているのでしょうが、問題の根本にあるのは日本人のメンタリティだと思います。

豊臣秀吉が生み出し、江戸時代中期以降に制度として広がった五人組制度が、今の日本人のメンタリティの土壌になっている気がします。

相互監視システム、告げ口制度である五人組が生み出した精神風土が「お上は絶対」「人と違うことをしてはいけない」というものであるでしょう。

ここで書いても長くなるし、生産的でないので止めますが、日本が衰退する流れを止めることはできるのでしょうか?

大きな流れを作るには政治の力しかありませんが、自分ができることもあるのではないか?

今日の芦田さんのお話を聞いていて思ったのが、地方の魅力を高めること。

「離島キッチン」という取り組みで日本の離島の魅力を発信している人たちもいます。

離島キッチン

インターネット技術の進化とスマホの普及で、小さな組織でも有効な情報発信をすることができるようになりました。

私の仕事であれば、地方で少しでも儲かる会社を増やすお手伝いをすること。

自分の仕事が日本の未来につながる、なんて考えながら仕事をするのもカッコいいかなと思ったセミナーでした。

次週モーニングセミナー予定

2020年9月30日(水)は、株式会社マイルストーンデザイン 代表取締役・和田 達哉氏に「人生はヒーローズジャーニー」というテーマで講演していただきます。

岡山市南倫理法人会・経営者モーニングセミナーは毎週水曜日6:00~7:00に岡山県護国神社いさお会館で実施されます。

朝日に輝く岡山県護国神社に早朝から訪れることで、良い1日になりそうです。

倫理法人会に興味を持っていただいた方は、お気軽に会場までお越しください。

ご質問のある方はこちらからどうぞ。

    そうそう、倫理法人会のことを調べて、「なんか怪しい団体じゃない?」と思った人はこちらの記事を読んでみてください。

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